特集 野村不動産

告知義務違反で地権者を欺く野村不動産(1)

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野村不動産は、地権者に対して取引の最後の最後まで誠実ではなかった。地権者がビルの売買で買主のS社と仲介の野村不動産に提示した3つの条件を、野村不動産の徳吉課長ほか橋爪秀明と橋本大は反故にしたうえ、それを自分たちの責任ではないかのように嘘ばかりついたことで、地権者は契約の解除を口にするほどの怒りを持った。ところが、橋爪と橋本は地権者の怒りを鎮めようともしなかった、どころかさらに有り得ないよう嘘を重ねて、地権者を混乱させたのである。

令和4年1月14日の売買契約から約5か月後の6月30日の決済に向けて、橋爪は仲介者を介して地権者に対して建物のアスベストの確認やPCBの業者への処分要請、さらにはビル内のテナントの立ち退きや残置物の処理等の作業を急がせながら、地権者が要請した3つの条件については、結果から見れば何もしなかった。地権者がその事実を明確に知ったのは、4月中旬に売却後のビル解体工事を地権者が長年懇意にしている解体工事業者に受注させるという条件の一つが反故にされたことによる。解体工事を必ず受注できると業者に伝えていたことで、業者との信頼関係にまでひびが入りかけた地権者は、約束を反故にした野村不動産に対して解約を告知する決断を迫られた。
そこで、地権者が改めて契約書を確認したところ、当初に野村不動産から提示されていた契約書に入っていた条項が完全に抜けていたことが判明したのである。また、地権者が仲介者から聞いていた話とは違って、契約解除の場合には契約の際に支払われる手付金(売買代金の10%)をそのまま返却すれば無条件で解約できると聞いていたのが、そうではなく、違約金として手付金の倍返し、つまり売買代金の20%を支払わなければならないことが明記されていた。明らかに野村不動産や仲介者から受けていた説明と違うことに驚いた地権者が顧問弁護士と契約書の検討を重ねたが、当初の契約書にあった「車両10台の一括での保管場所の確保が難しい場合には、決済日を6月から8月まで延ばし、それでも難しい時にはさらに2カ月ずつ決済日を延ばして、最終的に12月時点でも確保できない場合には、一旦契約を無条件で解除する」という条項が抜けてしまっていたのである。

解体工事の受注ができなかったことに加えて、地権者の権利とも言うべき契約解除の条項が抜けた経緯の不透明さが深刻な問題として浮かび上がり、地権者は、その後、仲介者を通じて野村不動産との協議を何回か進めることになった。ところが、特に橋爪と橋本は、協議の度に話をはぐらかし、嘘をついた。解体工事については、地権者は仲介者の言うままに正式な売買条件として提示していなかったことは事実だが、橋爪は「正式に条件として提示戴ければよかった」などと嘯いた。
地権者が仲介者から聞いていた話では、入札に参加する業者の正確な入札金額を事前に地権者に知らせることで、地権者側の解体工事業者が受注できるという約束だったが、その約束も守られなかった。仲介者が各社の入札価格を知るには橋爪と橋本から聞く以外に方法がない。それを承知で、橋爪は話をはぐらかし、さも地権者側の落ち度であるかのようにすり替えたのだ。
また、契約書の条項が抜けたことについても、車両10台のうち、売却するビルの1階に展示していた2台の車両を早いうちに移動することができたと地権者が仲介者に連絡した話が、何故か野村不動産は車両10台全部の一括での保管場所が確保できたという勝手な判断をしてしまった。そのために条件はクリアーされたとして契約書から削除した、という説明が橋爪からなされた。しかし、それによって契約書に重大な変更があった確認を、橋爪も橋本も地権者本人にも仲介者にも一切行っていなかった。売買の仲介者として野村不動産は宅地取引建物業法に違反して、告知義務を怠ったのである。それに対して橋爪は協議の場で、契約日である1月14日の前夜8時過ぎに、地権者の顧問弁護士に宛てて送った契約書は飽くまで契約書の変更履歴で、売買交渉が開始された直後から契約書の作成を行う中で、いくつもの文案に生じた変更の一部だったと言い張った。しかし、契約書の原案が提示され、それが変更されるとなれば、その都度、地権者に正確に伝え確認を求めるのは野村不動産としての義務だ。その部分について橋爪は言を左右にして口ごもった。これでは、仮に車両10台の一括での保管場所が確保されたという間違った情報が野村不動産側に伝えられたとしても、それを地権者には故意に確認せず、決済日を2か月ごとに先延ばしつつ保管場所が確保できなければ無条件で契約を解除できるという条項を削除してしまい、地権者にとって不利な状況を作ったと疑われるのは当然のことだった。

地権者は仲介者を交え野村不動産と協議を重ねる度に、その2点を繰り返し確認しようとしたが、橋爪も橋本も一向に的確な説明をしないどころか、自分たちの非を認めるような対応を一切しようとしなかった。しかし、その一方で地権者が「解約」という言葉を口にすると、平身低頭して考え直して契約を進めさせて欲しいと言う。あまりに横着な対応に地権者も呆れ果てたが、協議の場で橋本が車両10台の一括での保管について「車は最初から2台でしたよ」などととんでもないことを言い出したときには、さすがに地権者は、これ以上野村不動産と話をしても無駄だと感じ、協議を打ち切ることにした。それまでに行われた協議には担当した徳吉課長、橋爪、橋本の3人が出席したが、嘘の発言をした人間は次回のミーティングには出席しなかった。こんなやり方が大手の不動産会社のやる事かと感じる話だ。

その後、地権者は野村不動産との連絡を顧問弁護士に委ね、また、橋爪と橋本にとってもその方が都合が良かったのかも知れないが、地権者は仲介者の顔を立てて解約だけは避けることにした。地権者は、決済時には野村不動産からの謝罪は当然で、また野村不動作へ支払う仲介手数料も半額にする、それが飲めなければ本当に解約すると通告した。間もなくして野村不動産がそれを了解したことを顧問弁護士に伝えてきたが、地権者は関係者全員が揃った所で謝罪させるのは、橋爪と橋本に恥をかかせるだけで禍根を残すと考えたのか、謝罪はいいが、決済日には間違いなく売買の残代金とPCB処分に係る負担金を振り込むよう、顧問弁護士を通じて強く要請した。
そして、決済日当日、午後1時に新宿の野村不動産本社に地権者と顧問弁護士、買主のS社から2名と司法書士のほか野村不動産の3人が集まる予定だったが、野村不動産は橋爪と橋本の2人だけで、徳吉は出席しなかった。地権者は事前に顧問弁護士より「野村不動産の3人が謝罪したいと言うので、オーナーにも出席をお願いします」と言われ出席したが、進行を務めた橋爪は手続きを進めるだけで地権者への謝罪の言葉は無かった。橋爪と橋本が一言でも地権者とO氏に謝罪の言葉を投げかけ、頭を下げていれば、その場は少しは和んだかもしれなかった。しかし、橋爪と橋本は手続きの進行中も謝罪に関する一言も発しなかった。地権者が顧問弁護士を介して「謝罪はいい」と伝えたにしても、リーダー格の徳吉課長が出席せず、地権者とO氏に挨拶もしないというのは、本来なら礼儀知らずで済まされることではなかった。そしてまた、野村不動産は仲介者のO氏が決済に同席することは念頭になく、地権者と顧問弁護士が要請して来てもらったのだが、これも無礼な話で、もしO氏がいなければ、そもそもこの売買は無かったことを考えると、野村不動産はO氏に決済の場に同席してもらい礼を述べるべきだった。野村不動産には地権者とO氏に謝罪する気など全くなかったのだ。地権者が提示していた売買条件を全て反故にしただけでなく、それを誤魔化すために様々な嘘をつきながら、決済に向けた作業を進めた橋爪と橋本は本当に恥を知らない人間というほかない。2人がどれほど地権者に迷惑をかけたかも考えず、ただ自分たちの利益獲得だけしか頭に無かったことを恥と感じない人間であることを、橋爪と橋本は最後の最後まで世間に知らしめたのである。野村不動産は、宅地建物取引業法の告知義務違反を犯した2人に対して厳正に対処すべきである。そして社員教育を徹底すべきである。そうでなければ、特に2人の悪事は野村不動産という組織全体の問題として、野村不動産の看板を大きく傷つける事になるだろう。(つづく)

告知義務違反で地権者を欺く野村不動産(2)

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野村不動産の告知義務違反により、同社がそれを常習的にやっている悪質行為であることがより鮮明になった。当初、宅地建物取引業法の告知義務(説明義務)に違反するという、これほど悪質な行為を野村不動産が会社として容認しているとは思っても見なかったが、どうやらそうではなかったようだ。野村不動産では、利益を追求するあまりグループを挙げてコンプライアンスを無視しているやり方がいくつも明白になった。ここで取り挙げている野村不動産ソリューションズも、個人と法人を問わず物件の仲介をするグループの一翼を担っている会社であるが、野村不動産の表記で統一することにする。

一部の報道によると、物件の販売を仲介した野村不動産のセンター長が買主に仲介した物件でも説明義務違反を冒すという重大な違反を行っていた、と報じている。売買契約の場で重要事項を読み上げず、しかも買主に交付すべき書面も交付しなかったのだから悪質極まりない。
これは、地権者が被った被害と同じだ。地権者の場合には業務委託契約を結んで野村不動産との交渉を担うI建設が仲介した。また地権者の顧問弁護士が契約書ほか手続きの法的な部分をチェックする役割を負っていたが、それでも野村不動産は、それをすり抜けるような有り得ない悪質なやり方を駆使しており、法的にも許されないことである。
話を戻して、買主が野村不動産と媒介契約を結び売買契約を結んだ後に、センター長が、ビルのテナントの立ち退き交渉の業務を業者に委託すると称して、買主にその業者と8億5000万円の業務委託契約をするよう要請したが、買主が不審に思い断ると、事態が急変して他者が物件を購入してしまった、と連絡してきたという。それだけではなく、野村不動産は媒介契約に基いて仲介手数料の支払を求め買主を提訴したというのだ。
買主との間では売買が成立しなくても、仲介料を求める権利はあるというのが野村不動産側の言い分だったようだが、買主とは別に二股も三股もかけて交渉を進めていたことを野村不動産は隠し、しかも他者に売却したうえに買主に仲介料を請求して訴訟まで起こすなど、まさにコンプライアンス違反ではないか。
訴訟はなぜか一審で買主が敗訴し、これを不服とした買主が控訴する中で、前述した野村不動産側の説明義務違反と書面交付義務違反が判明した。野村不動産が売買契約に係る重要事項の説明を買主にしなかった理由の詳細は分からないが、少なくとも売買契約を結んでいたのに、他者に売却できるはずはないから、センター長はそれを隠すために重要事項の説明もしなければ書面の交付もしなかったことははっきりしている。

地権者の場合も、野村不動産は契約書の原案にあった条項を勝手に削除したうえに、変更後の契約書を交渉経緯の詳細を知らない弁護士に送信しただけで必要な説明もせず、さらに地権者とI建設にも契約書の開示も一切しなければ口頭での説明もしなかった。これは野村不動産による事実上の改ざんである。こんなやり方が許されていいはずはない。
また、これは契約書の原案にもあったが、売買に伴う固定資産税と都市計画税の地権者と買主の負担について記した条項について、地権者は土地と建物を同時に売却するので、当然、土地と建物それぞれにかかる固定資産税と都市計画税を合算して負担割合を算出しなければならないのは当然のことだが、野村不動産は密かに建物にかかる固定資産税と都市計画税を除外すると契約書に明記し、それを地権者にもI建設にも一切説明しなかった。

契約日直前の前日夜半に顧問弁護士に条項を削除した契約書の原案を送り付けただけで詳しい説明を一切しなかったことを、野村不動産の橋爪も橋本も何一つ悪びれていなかった。本来なら、告知義務違反を厳しく問われることを、橋爪と橋本は都合の悪いことは一切無視したが、そんなやり方が許されるはずはない。
また、固定資産税と都市計画税の買主側の負担分について、契約書に建物にかかる固定資産税と都市計画税は除外することを明記していながら、一言も触れなかったのは明らかに告知義務違反だった。地権者が気づかなければやり過ごしてしまおうとするようなことは、悪質さの度が過ぎており、あってはならないことだ。
野村不動産は、地権者の顧問弁護士に契約書の原案を送り、確認を戴いていると強調するだろう。しかし、条項の削除という重大な変更を、経緯を含めて説明しなければ、顧問弁護士は契約書の字面を追うくらいしかないことを見越して、わざわざ契約日の前日、それも午後8時過ぎという夜半を選んでメールで送信したことが、説明義務を故意に回避した証ではないか。
地権者が、固定資産税の買主側の負担分について疑問を持ち、顧問弁護士を介して野村不動産に問い合わせをすると、橋爪は1週間以上も連絡せず、ようやく連絡を入れて来た時には「契約前に説明した」と言うだけで、買主側の負担分に、建物にかかる固定資産税と都市計画税を加えることを拒否したのである。橋爪の言う通り、契約前に説明があったなら、顧問弁護士からの問い合わせにすぐに応じて、説明した経緯を返答したはずだが、橋爪はなかなか連絡をしなかった。恐らくどのように回答するかを社内でさまざまに検討していた、とさえ思われる。
野村不動産により契約書の原案を勝手に改ざんした部分は、地権者が保有する車両10台を一括保管する駐車スペースの確保に関わるものだった。これは、地権者が売買の条件として最初から提示していたもので、一括保管の駐車スペースを確保するのは難しかったことから、決済の予定日までに見つからなければ決済を2か月ごとに延ばし、半年後の年末でも確保できなければ、一旦契約を無条件で解除するという条項が明文化されていたのに、それがそっくり削除されたことで、地権者には非常に不利な状況となった。
これに対して、地権者が契約解除の意思を伝えて、野村不動産とI建設を交えて重ねた協議の場でも、橋爪と橋本、そして2人の上司である徳吉はそれぞれに責任転嫁を繰り返し、平気で嘘をつき続けた。もし、地権者が交渉を委託したI建設の事情を配慮しなかったならば、地権者は間違いなく契約を解除していたに違いない。
決済を先延ばしにした上に条件が果たせなければ契約を無条件で解除するという条項は、利益の追求にしか関心のない野村不動産にしてみれば、大きなハードルだったかもしれないが、だからといって地権者には何の説明もせず、変更された契約書を見せることもしなかった行為は、詐欺にも等しい。建物にかかる固定資産税と都市計画税の除外を明記した条項も一切説明しなかったことを踏まえれば、野村不動産のやり方は過失ではなく、明らかに計画的と言わざるを得ない。地権者は改めて野村不動産と買主に対して、野村不動産による宅地建物取引業法の告知義務違反を前提にした訴訟の提起を準備中という。
野村不動産は新卒者向けの自社ホームページで「何がお客様の心を動かすのか。
それは、営業一人一人の人間性と信頼の積み重ねだと考えます」と高らかに謳っているが、実際の現場でやっていることは全く逆だ。しかも、同社の全営業マンが上司や先輩から徹底的に叩き込まれるほど組織ぐるみでこのようなやり方をしているとしか考えられないだけに、売主も買主も野村不動産と関わる時には弁護士に相談することは必要不可欠で、よほど慎重に構えなければ、絶対に被害を受けることを肝に銘じておく必要がある。不動産を数多く所有している地権者もまた、今後いかなる時でも取引に野村不動産が関与したら、一切売買しないと決断したようだ。野村不動産が業法違反を巧みにすり抜けてでも全社を挙げて利益追求に走っているのは明白であり、実際にこうした被害にあった件数の多さには驚くと同時に、それこそが、野村不動産の上層部より平社員に至るまで悪質すぎることの確固とした証明にもなるに違いない。(つづく)

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