上面に1万円札を並べた「報酬75億円」の小細工から殺人未遂まで 松本信幸に響き渡る刑事責任を問う声(3)

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松本信幸が債権者の前から姿を消してから、すでに5年以上が過ぎた。債権者は令和2年4月に松本と連帯保証をしている妻に対して債権の一部請求という形で貸金返還請求の訴訟を起こした。しかし、松本は住民票を置いている住所地には住んでおらず、しかも妻が病死していたことも判明したことから、妻に代わって長女のめぐみと長男の塁に被告を変更する手続きが取られ、松本本人とは裁判が分離した。松本は、逃げ回るうちに大事な家族を失っただけでなく、自分のしでかした不始末を家族全員に負担させているのだ。
2人の子供は、母親の死に伴う相続放棄の手続きをしていると裁判所に通知しているが、母親が連帯保証をしていた事実は、2人とも死亡する以前から承知したので、手続き上では認められない可能性が高い。しかし、この裁判をきっかけにして松本がしっかりと債権者はもちろん、子供たちとも向き合わなければ、問題は絶対に解決しない、どころか一層深刻になるだけだ。それを松本自身は何処まで分かっているのか、審理が開かれる期日にも姿を見せず、さらに債権者の怒りを増幅させており、刑事事件化する事態さえ招いている。
債権者に多くの詐欺を働いて、そのたびに謝罪文を書きながら、一向に改めることもなく、「お詫びの印に、社長の会社を手伝わせて下さい」と言いながら債権者の会社に出入りするようになって、しばらくすると、松本は会社の金に手を付け始めた。総額で言えば80万円になるが、どのような事情か松本は銀行のキャッシュカードを使って、駅から会社に通う途中のATMで金を引き出しては着服するという窃盗を繰り返したのである。債権者は業務を任せていた部長に「松本には1万円以上は触らせてはいけない」と指示していたが、金庫に保管されている銀行の通帳とキャッシュカードは、金庫を開ける鍵の所在さえ分かれば、松本は部長の目を盗んで金庫を開けてキャッシュカードを取り出すことなど平然とやるような人間だった。部長の鍵の管理が甘すぎたとしか言いようがないが、松本は窃盗が発覚することを恐れ、その前に姿をくらませてしまった。

松本が債権者に被らせた被害は大きかった。平成19年頃から約7年間にわたって、資産家の長男との関係を債権者に持ち込んで、債権者から寸借を繰り返したが、その資産家の長男が松本による作り話であることが発覚すると、今度は知り合いの反社会的勢力の男に頼んで、債権者を亡き者にしようとする暴挙にまで走った。松本が債権者に持ち込んだ資金計画は資産家長男との共同事業という触れ込みだったが、何もかもがウソだった。松本は資金計画が嘘であることが発覚するたびに債権者に「謝罪書」を書いているが、その数は9件にも及んでいた。その挙句に、前述したとおり、債権者の会社の資金窃盗(横領)である。一度は債権者の関係者が松本と接触した際に「社長にお詫びする」と殊勝なことを言い、実際にも債権者の会社の近くまで来たようだが、結局は逃げてしまったようだ。しかし、姿をくらませたままいつまでも逃げおおせるものではないことは松本自身が良く分かっているはずだ。債権者から刑事告訴の手続きが取られれば、本当に取り返しがつかなくなる。(つづく)

2023.07.17
     

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